「さなだんごの旅」の真田の人々と歴史

真田の人々と歴史

真田一族の魅力は、何と言ってもそれぞれに魅力的な個性を持つ登場人物たち。池波正太郎氏による人気時代小説、そしてテレビドラマにもなった「真田太平記」のファンなら、好き好きはともかく、多かれ少なかれ、そのイメージも固まっているのでは?激動の戦国時代を駆け抜けた物語の主要人物を紹介します。

  • 真田幸村
  • 兄・真田信之
  • 父・真田昌幸
  • 草の者
真田一族の家系図 真田一族の家系図

※家系図は故・池波 正太郎氏の長編時代小説「真田太平記」を参照しているため、架空の人物もございます。

真田家の人々
真田幸村こと真田信繁

戦国時代のヒーローとして有名な「真田幸村(信繁)」ですが、実は彼が活躍したのは、その生涯の最後の一年だけ。青年期の殆どを上杉家、豊臣家で人質として過ごします。関ヶ原の戦いで味方に付いた西軍が敗れてからは、父「昌幸」とともに和歌山県の九度山で14年もの長きにわたり蟄居生活を強いられました。しかし、西軍に加わった大阪冬の陣で、出城「真田丸」とともに東軍に立ち向かい、大阪夏の陣では、三度に渡って家康の本陣に切り込み、家康本人に何度も自害を覚悟させるほどの戦慄を与えました。熱く戦い、華々しく散ったこの最後の輝きをもって、幸村は「日本一の兵(ひのもといちのつわもの)」と呼ばれるのです。

  • ゆかりの地を巡る
  • 幼き幸村が過ごした群馬県中之条町の岩櫃城
  • 草の者・お江と幸村が出会った場所 別所温泉
  • 幼き幸村が過ごした群馬県中之条町の砥石城
  • 叔父の矢沢頼綱が再建した美しい寺
  • 幸村が馬に乗り訪れた別所の常宿安楽寺
  • 父・昌幸が城建した守護神として崇めた上田城
幸村の兄 真田信之

徳川家の重臣「本多忠勝」の娘「小松姫」を妻に迎えていた長男「信之」は、家康率いる東軍に従い父「昌幸」、弟「幸村」と敵味方に分かれて戦う形になります。「真田太平記」では主役であり、小説やドラマを見た方の多くが、知的で誠実な彼のファンになったのではないでしょうか。結果、江戸時代から明治維新まで真田の血を残す松代藩の礎を築いた名君として、実に93歳の長寿を全うしました。戦国武将きっての人気者である弟「幸村」と比べると地味に印象を持たれる方もいるでしょうが、知れば知るほど思慮深く先見の明に長けた彼ならではの魅力に惹かれてしまいます。185cmの身長で、当時としては相当な長身の持ち主だったようです。

  • ゆかりの地を巡る
  • 弟・幸村と過ごした群馬県中之条町の岩櫃城
  • 信之の家臣・右近が育った悲劇の城 名胡桃城
  • 妻・小松姫が眠り右近の父が自決した寺 正覚寺
  • 信之初陣の戦場 群馬県中之条の丸岩城
  • 信之ゆかりの日向見薬師堂と四万温泉
  • 父そして兄弟と共に戦った歴史深き上田藩主屋敷跡
  • 信之の妻・小松姫が眠るもう一つのお墓 芳泉寺
  • 幸村と父亡き後に信之が治めた松代城跡
  • 妻・小松姫が昌幸に凛として対峙した沼田城跡
  • 江戸末期の美しい建築様式 真田邸
  • 文学と武道を教えた松代藩の学び舎 文武学校
  • 真田家の家臣として郡奉行を勤めた 旧横田家住宅
幸村の父 真田昌幸

優れた臣下として武田信玄に「我が眼」とまで言われた「真田昌幸」は、歴史に残る様々な武功を残した稀代の武将です。武田家が滅亡した後は真田家を独立した大名として導き、上杉、北条、徳川など、周辺の強大な大名たちの侵攻から領土を守り抜きました。特に、圧倒的な軍力を誇る徳川軍の侵攻を少ない兵力で二度に渡って退けた上田合戦など、徳川家康に何度も煮え湯を飲ませたほどの策略・戦術手腕は「表裏比興(ひょうりひきょう)の者」と評されています。決して恵まれてはいない条件の中で、世の情勢に機敏に対応しながら生き抜いていくための才覚は、真田家が長きに渡って世の人々の人気を集めてきた大きな理由のひとつだと思います。

  • ゆかりの地を巡る
  • 昌幸の知恵勝負が開花した始まりの地小川城
  • 家臣そして友だった鈴木主水の悲劇の地 名胡桃城
  • 昌幸が城建した守護神として崇めた上田城
  • 城代の父の元真田兄弟が育った城 岩櫃城
  • 昌幸が整備した古き良き情緒が残る四万温泉
  • 第二次上田合戦で徳川軍と会見した寺 信濃国分寺
  • 祖父母と共に昌幸が眠る美しい寺 長谷寺
  • 上田に城を移す前に居城した絶景の地 真田氏本城跡
  • 真田親子が平和な日々を過ごした真田氏館跡
真田に仕えた忍者 草の者

「真田太平記」を語る上でなくてはならないのが、諜報活動を担当する影の任務の重要性です。実際の歴史上には存在しないキャラクターたちですが、周囲を強国に囲まれた真田一族にとって、彼らの活躍に重きをおいた設定は小説の人気のひとつだと思います。「草の者」とは真田家が誇る忍者部隊。寡黙で頼りがいのあるリーダー「壺谷又五郎」を筆頭に、凄まじい強さと美しさを誇る女忍者「お江」、幼い頃より目を見張る才能を開花させた天才忍者「猿飛佐助」など、小説の中では真田親子を助けて西に東に大活躍する姿が生き生きと描かれています。また、彼らを単なる駒としては決して扱わない、幸村たちとの絆も人気の理由ではないでしょうか。

  • ゆかりの地を巡る
  • 父・幸村と共に戦った草の者たちが眠る群馬 中之条
  • 草の者の隠れ家 信州最古の禅寺 安楽寺
  • 草の者・お江と幸村出会いの地 別所温泉
  • 忍者の息吹を感じる信州の修行の山 角間渓谷