

上毛かるたで「世のちり洗う」と歌われる「四万温泉」は、四万もの病を治す謂れを持つ温泉地。国民保養温泉地第1号の指定を受けており、翡翠色の四万川に沿ってポツポツと宿が立ち並ぶ温泉街には、日本情緒が静かに溢れています。四万温泉の中でも最も古い地区である「日向見」の奥には「御夢想之湯」という共同浴場があり、太古の昔から湧き出る四万温泉発祥の湯を楽しめます。
四万温泉の始まりは伝説の域にあり、はっきりとしませんが、戦国時代においては支配者である「真田昌幸」が、土地の人々の意見を取り入れながら道や橋を整備し、温泉地としての役割を持たせるために宿や湯守も設けています。記録には残されていませんが、信繁(幸村)や信之が中之条で幼少時代を過ごしたことを考えると、二人とも戦いの傷を四万のお湯で癒していたのかもしれません。
日向見薬師堂/〒377-0601 群馬県吾妻郡中之条四万4371/駐車場有/Googlemapを見る

御夢想の湯の隣には、群馬県最古の寺院建造物である小さな堂「日向見薬師堂」が立っています。江戸幕府がはじまる前の1598年に、当時の領主「真田信幸(信之)」の武運長久を祈願して建立され、中之条の地と真田家との結びつきを今に伝えています。室町時代末期の建築様式をよく伝える唐風建築物として、明治45年に県内で唯一となる国の重要文化財に指定されました。
御夢想之湯・日向見薬師堂/〒377-0601 群馬県吾妻郡中之条四万4371/駐車場有/Googlemapを見る
