別所温泉の石湯から歩いて約10分。古くからこの地の人々から信仰を集めてきた信州最古の禅寺「安楽寺」があります。真田太平記では、真田幸村が別所温泉を訪れた際の常宿(隠れ宿)として、そして草のものの隠れ家として登場しました。別所の湯で出会った幸村と左平次はこの寺で一晩語り合い、岩櫃城へと出立する次の日に幸村と左平次はお互いに主従関係となること決意。幸村の最後の時までつづく二人の男の友情はこの一晩から始まったのです。
鎌倉時代から現代に至るまで、歴史の移り変わりを見守ってきた「安楽寺」。境内にある「八角三重塔」は、日本に現存する近代以前の八角塔として侑一とされる貴重な塔で、長野で初めて国宝に指定された建物でもあります。本堂では幸村を一躍有名にした「大阪夏の陣」の屏風(複製)が展示。赤い旗を掲げる部隊が赤備えの真田軍です!坐禅体験も行われているので、山々を駆け回る幸村の面影を感じながら心を清めてみてはいかがでしょうか?
安楽寺/〒386-1431 長野県上田市別所温泉2361/Tel.0268-38-2062/拝観料 大人300円、小人100円/拝観時間 3月〜10月までは午前8時〜午後5時、11月〜12月までは午前8時〜午後4時/駐車場 有/ Googlemapを見る
比叡山延暦寺座主の円仁慈覚大師により825年に建立された「常楽寺」は、北向観の本堂で今は天台宗の別格本山となっています。別所温泉は鎌倉時代に「信州の学海」と呼ばれ、常楽寺も、宗教・学問を勉強する場でありました。本堂は茅葺きの寄棟造りで、その裏には弘長二年(1262年)の刻銘のある「石造多宝塔」が重要文化財として保存されています。
天台宗金剛山照明院 常楽寺/〒386-1431 長野県上田市別所温泉2347/Tel.0268-37-1234/駐車場有/Googlemapを見る
厄除観音として知られる「北向観音堂」もまた、円仁慈覚大師により建立された寺院です。北向の由来は、観世音菩薩が現れた際のお告げによるものと言われています。長野市の善光寺と向き合っており、善光寺が来世の利益、北向観音が現世の利益をもたらすということで善光寺のみの参拝では「片参り」になってしまうと言われています。
北向観音堂/〒386-1431 長野県上田市別所温泉1656/Tel.0268-38-2023/駐車場無(近くに有料駐車場有)/Googlemapを見る
常楽寺に隣接する「別所神社」は、和歌山県の熊野本宮大社から分祀されて以来「熊野社」という名前でしたが1878年に現在の名称に改められました。茅葺き屋根の本殿は「一間社隅木入春日造」という建築様式で、18世紀の神社本殿として規模も大きく建物を飾る彫刻も華やかで、建築物として優れており文化財としても高い保存価値があります。
別所神社/〒386-1431 長野県上田市別所温泉2338/駐車場無/Googlemapを見る