さなだんごの旅/真田の人々と歴史/沼田城

歴史の風吹く自然公園
五層の天守閣があった本丸跡
沼田城ならではの名シーン 昌幸を追い返した小松姫

「真田の沼田城」と聞いて印象深いのが、信之の父「昌幸」と妻「小松姫」のエピソードです。石田三成の挙兵を知った真田親子が、昌幸・幸村は豊臣家、信之は徳川家と二つに分かれた際、最後に孫の顔を見に訪れた昌幸と幸村を息子の嫁が追い返した話。「義父であってもすでに敵と味方、主人(信之)の留守中に、城内には入れられませぬ」。敢然と言い放つ小松姫は家康の養女だが、もともとは徳川四天王の一人で天下無双と謳われた本多忠勝の娘。

父譲りの気の強さと聡明さで申し出を跳ね返した対応を「さすがは武士の妻女」と認め、昌幸は城近くの「正覚寺」に泊まることにします。翌日、護衛を連れて寺を訪れた小松姫が昌幸に孫の顔をみせるという話からは、切れ者の舅と気丈な嫁、そしてその場にいなくとも存在感を放つ信之の人柄が生き生きと伝わってきます。野球グラウンドにテニスコート、かつてそびえていた五層の天守閣も今は無く、「沼田城址」として数多くの樹木が生い茂る市民公園となった沼田城ですが、石垣の跡や点在する石碑には様々な歴史が記されています。何より高台から平野を見下ろしながら、公園内に吹き渡る風を受けていると、信之や小松姫、そして幾多の武将が生き抜いた戦国の息吹が感じられるようです。
沼田城/〒378-0042 群馬県沼田市西倉内町594/Tel.0278-23-2111/Googlemapを見る

昌幸と争った沼田氏に纏わる石
沼田城址
沼田城址
春の楽しみ「沼田公園桜まつり」 満開の桜の下で歴史に想いを馳せて 沼田公園桜まつり
沼田公園桜まつり

毎年4月上旬から下旬にかけて沼田公園では、敷地内にある210本の桜が咲き誇り多くの出店が立ち並びます。中でも20mもの枝を広げるヒガンザクラ「御殿桜」は、樹齢400年以上を誇る公園を象徴するシンボル。夜には鐘楼とともにライトアップされ、幻想的な姿で訪れた人々の目を楽しませてくれます。

この場所の地図を見る
周辺の「ゆかりの地」も見る

< 真田の人々の歴史のINDEXへ戻る