大分に間が空きましたが真田丸37話「信之」を見た感想。前回の第36話「勝負」では、余りにもあっさり、余りにも茶番(失礼)な第二次上田合戦と、瞬きする間もなく終わってしまった「関ヶ原」。三谷監督による真田家の見てないものは殆ど描かないコンセプトは認めつつも、時代劇ファンとしては「そんな殺生な!!」と言わざるを得なかった生殺し感、憤懣やるかたなかった一週間を経ての今回。
真田親子が勝利を信じた西軍のあっけない敗北、昌幸と信繁の助命嘆願に望む信幸に力添えする本田信忠。史上最高の演技で無念を滲ませる父・昌幸に対して、あくまで飄々とした態度を変えようとしない次男・信繁。「なぜお前たちを生かしたと思う? 」底意地悪く尋ねる家康の質問にも、優等生然として答える信繁。真田太平記で描かれる九度山での隠遁生活の中で、武士としての自分を世に示す機会を閉ざされていた信繁の鬱屈。そして、その思いを一気に吐き出すように暴れまわり散った大坂の陣。
信繁の滲むような悔しさや燃え上がる闘争心。そういった生々しい心理を徹底的に描いてこなかった「真田丸」が、クライマックスの舞台となる大阪へとつながるまでの真田の親子の長い時間をどう語るのか。来週も本当に目が離せない展開です。それにしても今回は信幸の名を変えるエピソードや、夏の間中ほとんど主役を張っていた「三成の最後は?」にもきっちり応えて神回でした。
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編集者コラムとは?!
さなだんごの旅制作委員会のカメラマン兼コピーライターが、大好きな「真田」をネタに語るコラム。池波正太郎氏ファンである彼は、群馬や長野、三重など日本各地へ出張へ行くことが多く、いつの間にか歴史好きに。ゆかりの地を巡る旅の様子やNHK大河ドラマ「真田丸」を見て思ったことなど、彼独自の目線で語っていきます。