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お便り
2016年07月03日 (日)  

編集者コラムVol.5 治部少輔

betsuri

真田丸24話「別離」で、秀吉と茶々の息子「鶴松」が亡くなるシーン。3歳にも満たないうちにこの世を去った息子の死に対し「何のために生まれ、何のために死ぬのか」と問いかけながら、亡骸にでんでん太鼓を鳴らす秀吉の背中。天下人である前に一人の親であることが伝わった、なんとも悲しいシーンで胸を打たれましたね。あと、鶴松の回復を祈って水垢離に誘う加藤清正の誘いを一旦は断りながらも、結局ぐわっと胸元をはだけ参加する石田三成の男気。

一般的に頭は切れるが神経質で人望に乏しいといったイメージの三成が、頭脳・男気・優しさと三拍子揃った好男児として描かれていましたね。でも自分は前から一番好きだったんですよね、個性豊かな戦国時代の人物の中でも三成のことが。武力・腕力がものを言う時代の中で(イメージ的に)、知力と精神で語られるべき異端の強さと言いますか。武力・知力のバランスに優れる大谷刑部に対して、やもすると理想論に傾きがちなアンバランスの魅力と言いますか。

代表的なのはハンセン病を患っていた大谷刑部が茶会の席で、茶碗に垂れてしまった膿の垂れてしまった膿を恥じて隣に回せず躊躇していたところ、有無を言わせず奪い取って飲み干したエピソード。でも調べるといくらでも出てくるんですよね、関ヶ原後の敗者としての男気溢れるエピーソードや、理想に向かって自領を統治し領民に尊敬されていた逸話などなど。ともかく、ステレオタイプでない三成が大活躍という意味でも真田丸から目が離せなくなってきました。

続いて真田丸25話「瓜売り」。今までの放映で一番スピーディーというか、いろいろなエピソードが錯綜した回でしたね。朝鮮出兵に真田家の面々と酒を酌み交わす加藤清正のテヘペロ感。仮装大会で白々しい一位をもらった秀吉のため息。後々の秀次の運命を知ってるがゆえにハラハラしてしまうキリの側室の話。真田家に未だ馴染めな小松姫のぎごちなさ。そして、のちに正室となる大谷刑部の娘「春」と、側室となる秀次の娘「たか」と信繁の出会い。とくに「春」を演じる「松岡茉優」さんは、テレビ東京の番組「そのおこだわり私にもくれよ」を見てからずっと気になっていたので次回以降がまた楽しみになってきました。

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編集者コラムとは?!
さなだんごの旅制作委員会のカメラマン兼コピーライターが、大好きな「真田」をネタに語るコラム。池波正太郎氏ファンである彼は、群馬や長野、三重など日本各地へ出張へ行くことが多く、いつの間にか歴史好きに。ゆかりの地を巡る旅の様子やNHK大河ドラマ「真田丸」を見て思ったことなど、彼独自の目線で語っていきます。