話が前後しましたが、放映日に合わせて行ってきたのが「小田原城址公園」。駐車場から蓮の葉が青々と茂る堀を横目に、「学橋(まなびばし)」という名の赤い橋を渡るとすぐに城内へ。仕上げや形状の一つ一つが洗練を感じさせてくれる門や塀の衣装を眺めながら城内を進むと、本丸東堀に美しく咲き並ぶ紫陽花と花菖蒲が目を楽しませてくれます。
結婚式の準備が行われていた本丸広場には、戦国武将に姫君、忍者の格好での写真撮影や、子供向けの手裏剣道場などのアトラクションがありました。ちょっと驚いたのが、広場内に一つだけある檻の中のニホンザルたち。昔あった動物園の名残だそうですが、変に意味があるのかと思ってしまいました。
今年の5月に改修を終えたばかりの美しい天守閣は中身も充実。様々な資料や武具とともに五代に渡る北条の歩みが展示されているのですが、特筆すべきはその説明図版等のアートディレクション。大胆かつすっきりと伸びやかに構成されたスペースの中にきらめく緻密なディティールの数々。伝えるべきことが最大限以上の表現で伝わってきて実に気持ちいい。和に関連する同業者として感嘆してしまう素晴らしいお仕事でした。
天守閣の上からは豊臣連合軍に包囲された氏政・氏直の恐怖を疑似体験したり、城外に出ては昼食で食べた「かまカツ(蒲鉾のトンカツ!!)に舌鼓をうったり。食後はお堀の際に立っている「カフェおほり」にて、心地よい風に吹かれながら「おほりブレンド」と台湾スウィーツでまったりしたり。兎にも角にも小田原城界隈は、また行きたくなるような素晴らしい観光スポットでした。
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編集者コラムとは?!
さなだんごの旅制作委員会のカメラマン兼コピーライターが、大好きな「真田」をネタに語るコラム。池波正太郎氏ファンである彼は、群馬や長野、三重など日本各地へ出張へ行くことが多く、いつの間にか歴史好きに。ゆかりの地を巡る旅の様子やNHK大河ドラマ「真田丸」を見て思ったことなど、彼独自の目線で語っていきます。