さなだんごの旅/真田ゆかりの地を巡る/松代城下町を巡る

兄・信之が治めた城下町 松代の街

初代藩主となった「真田信之」が、93歳で生涯を閉じるまで藩政に尽くした「松代藩」。
日本最長河川でもある千曲川に沿って広がる長野盆地の東岸「長野市松代町」は、
江戸幕府の始まりから明治維新まで、十代の藩主にわたり真田の名を残した場所です。
戦国大名としては最後となった舞台で、色濃く残る真田の歴史を体感してください。

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兄・信之が治めた桜が咲き乱れる松代城跡
松代城跡
幕末まで続く真田の松代藩 真田の血を守った兄をたずねて

三包を山に囲まれ、千曲川を外堀として利用した天然の要塞、日本百名城の一つ「松代城」の元々の名前は「海津城」。北信濃・川中島地域をめぐって上杉謙信と争った、武田家の最前線拠点として1560年に築城されました。甲州流築城術が用いられた輪郭式平城で、武田家を代表する城の一つとされています。江戸時代に真田信之が13万石の藩主として入城した後に「松代城」へと名前を変えました。

260余年続いた江戸時代を通じ、初代藩主「信之」から十代目藩主「真田幸民」までの間、10万石の城下町として発展してきた松代の町。二度の火災や「善光寺地震」による大破・倒壊を経ながらも再建されてきた名城「松代城」は、明治に入った1872年に国令のもとに廃城になってしまいます。以来は城としての景観を失い、長い間石垣を残すのみでしたが、1981年に現存する城郭建築である新御殿(真田邸)とともに国の史跡に指定されました。1995年より長野市が環境整備工事を行って、発掘・文献調査をもとに櫓門・木橋・石垣・土塁・堀などを修理・復元。2004年より江戸時代の姿に限りなく近い状態で再現されて公開しています。

松代城跡
松代城跡

勇壮な外観を眺めながら太鼓門をくぐると季節は春。美しく咲き誇る桜の花とともに、場内に穏やかな空気が流れているのを感じます。敷地奥にある展望台「戌亥隅櫓台(いぬいすみやぐらだい)」から松代の山並みを眺めていると、上田から転風してきた信之の心情に想いを馳せてしまいます。また、場内に残る「海津城址之碑」は、武田家の家臣から戦国大名へと駆け上った真田家の運命を感じさせてくれます。

松代城跡/〒381-1231 長野県長野市松代町松代44/Tel.026-278-2801(真田宝物館)/営業時間 9:00 〜 17:00(入館16:30まで)/定休日 原則無休/駐車場有/Googlemapを見る

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戦国・江戸時代へ想いをはせた後は、大正時代の面影を見つけに行こう
路線の廃止後も松代を見守る駅
木造建築のレトロな雰囲気 今では観光名所の旧松代駅

松代城の近くにある「屋代線(やしろせん)」の駅舎跡。廃駅となってからは自由に出入りができ、大正時代の木造建築によるレトロな趣が楽しめます。長野行きのバスも出ていますので、真田観光の途中で立ち寄ってみては。

旧松代駅/〒381-1231 長野県長野市松代町松代70/駐車場無/Googlemapを見る

旧松代駅
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真田家の歴史、文化財を収める真田宝物館

真田宝物館は、真田家12代当主「真田幸治氏」によって当時の松城町に譲渡された、
戦国大名真田家伝来の貴重なコレクションを収蔵しているファン必須の博物館です。
真田邸土蔵に収められていた、大名道具としての武具・刀剣類から調度品・絵画作品をはじめ、
豊臣秀吉・石田三成・徳川家康らの書状など興味深い史料が多数展示されています。

真田宝物館/〒381-1231 長野県長野市松代町松代4-1/Tel.026-278-2801/営業時間 9:00 〜 17:00
(入館16:30まで)/定休日 定休日 火曜/駐車場有/
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宝物館のすぐ「そば!」信州に来たらやっぱり蕎麦

真田宝物館の右隣にには、昭和の懐かしさを残す食堂「花の丸」があります。ラーメンにカレー、カツ丼と食堂らしいメニューが並びますが、信州ならではの「ざる蕎麦」が、麺・つゆともにしっかり美味しくておすすめです。

花の丸/〒386-1231 長野県長野市松代町松代2-2/Tel.026-278-8595/営業時間 11:00 〜 15:30/定休日 火曜日)/駐車場有/Googlemapを見る

ざる蕎麦
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江戸末期のうつくしい建築様式 新御殿真田邸
桜

松代城とともに国の史跡に指定される「真田邸」は、江戸末期の1864年に松代藩9代藩主「真田幸教(ゆきのり)」よって、義母・貞松院のための城外御殿として建てられました。当時の松代城には別の御殿が存在したため、これと区別するため「新御殿」と呼ばれていたそうです。その後は幸教自身の隠居所、明治以降は伯爵となった真田家の私邸になり、1966年に真田家伝来の大名道具とともに当時の松代町へと譲渡されました。主屋、表門、土蔵7棟、庭園が一体となって残る御殿建築は全国でも数少なく、建築史的にも江戸末期の大名邸宅の建築様式をよく伝える非常に貴重な建物とされています。

表座敷に居間、湯殿(お風呂)に雪隠(トイレ)がそのまま残る邸内を巡っていると、この屋敷に暮らした人々の生活が生々しく感じられます。「水心秋月亭」と名付けられた日本庭園も美しい景観で目を楽しませてくれ、土蔵内では切り絵や琴の演奏などを体験することもできます。

真田邸/〒381-1231 長野県長野市松代町松代1/ Tel.026−215−6702/開館時間 9:00〜17:00 (入場16:30まで)/定休日 原則無休/入場料 一般300円(宝物館と文部学校との共通券で800円、文部学校との共通券で400円)駐車場/真田宝物館の駐車場に駐めてください/Googlemapを見る

真田邸
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兄・信之の末裔 八代藩主・幸貴の松代藩文部学校
松代藩文部学校
文学と武道を教えた学び舎 開校当時にタイムスリップ

文武を奨励した松代藩8代藩主「真田幸貫(ゆきつら)」が計画した「松代藩 文武学校」は、9代藩主「幸教(ゆきのり)」の時代である1855年に完成しました。凛とした空気が広がる敷地内には、教室にあたる文学所、武術を学ぶ剣術所、柔術所、弓術所、槍術所などが配置されています。当時の時間割には東洋・西洋の医学、小笠原流礼法、西洋の軍学なども組み込まれており、先進的な教育が行われていました。

創建時の質実剛健な姿を現在に伝える貴重な建築物として、1953年に国の史跡に指定されました。江戸時代の面影を伝える校内は、武道大会の会場のほか映画や時代劇のロケにも利用されています。春から秋にかけては未経験者でも矢を射って的を狙う弓道体験も行われています。

文武学校/〒386-1231 長野県長野市松代町松代205-1/ Tel.026-278-6152/開館時間 9:00〜17:00 (入場16:30まで)/定休日 原則無休/入場料 一般200円(宝物館と文部学校との共通券で800円、文部学校との共通券で400円)駐車場/真田宝物館の駐車場に駐めてください/Googlemapを見る
松代藩文部学校
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真田家に仕えた上級武士を訪ねて旧樋口家住宅へ
旧樋口家住宅

禄高230石の「樋口家」は藩の目付役などを務めた家柄で、「真田太平記」の中で幸村・信之の腹違いの弟として登場する架空の登場人物「樋口角兵衛」が印象的です。敷地内では主屋、土蔵、長屋、屋敷神の祠、表門、土塀、板塀が修景・復元され、そのうちの主要なものは長野市の文化財に指定されています。建物、庭園、泉水路などを含めた佇まいが、松代藩の上級武士の屋敷の姿をよく伝えています。

旧樋口家住宅/〒386-1231 長野県長野市松代町松代202-1/Tel.026-278-2188/営業時間 9:00 〜 17:00(入館16:30まで)/定休日 原則無休/駐車場有/Googlemapを見る

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真田家臣として郡奉行を勤めた横田家の旧住宅
旧横田家住宅

「富岡日記」で知られる和田英をはじめ、幕末から昭和にかけて最高裁判所長官、鉄道大臣など多くの人材を輩出した「横田家」は、松代藩で郡奉行を務めた中級武士です。1800年前半から中頃にかけて建てられた旧横田家は、松代の武士住宅の典型的な間取りを残しており、1986年に国の重要文化財に指定されました。土間・座敷・縁側・お勝手・庭など邸内の随所から、当時の武士の暮らしぶりがうかがえます。

旧横田家住宅/〒386-1231 長野県長野市松代町松代1434-1/Tel.026-278-2274/営業時間 9:00 〜 17:00(入館16:30まで)/定休日 原則無休/駐車場有/Googlemapを見る

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